ひがしはら内科眼科クリニック
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目の病気
コンタクトレンズ
①どんな人が適応になるのか?
現在、コンタクトレンズは非常に多くの種類があります。患者さんの近視や遠視、乱視の程度だけでなく、社会的背景や生活背景を考慮した上で、もっとも相応しいレンズを選択する必要があります。当クリニックでは、患者さんに正しい知識を提供できるよう、コンタクトレンズの特徴やその取り扱い方法に熟知するよう勉強しています。
コンタクトレンズは、屈折度数が強いために眼鏡ではクラクラする、疲れやすいといった人に良い適応になります。また、両眼の屈折力に2D以上の差がある(専門的にはこれを不同視という)人は、左右眼の目の奥にうつる像の大きさの違いから目の疲れが生じやすいために、メガネ装用はできません。しかし、コンタクトレンズは網膜にうつる像の大きさに縮小や拡大がないため、不同視の人に良い適応になります。さらに、円錐角膜や角膜移植術後、外傷後で角膜が変形した人など、メガネでは矯正できないような強い乱視がある場合には、ハードコンタクトレンズを装用するとよい視力が得られます。
②コンタクトレンズの種類
現在、コンタクトレンズは非常に多くの種類があります。昔はハードレンズが主流でしたが、現在ではソフトレンズが主流で、使い捨てのソフトコンタクトレンズが利用者全体の約7割を占めると言われています。その違いは、既製服とよく似ており、レディメイドとオーダーメイドの差。大半はレディメイドで賄えても、オーダーしないと着用できない人もいます。これと同じで、角膜にも個人差があり、円錐角膜や強度の乱視などがあれば、ハードしか使えません。自分の眼に完全にフィットしたコンタクトレンズを利用したいなら、ハードコンタクトレンズによる見え方のほうが質が高いといえます。しかし、ハードコンタクトレンズは瞬きでレンズが動くために、慣れるまでに目の異物感を伴いやすなどの欠点があります。一方、ソフトコンタクトレンズの場合、使い捨てのものもあり、黒目を大きく覆うので瞬きでも殆ど動かず、全体的に違和感が少なくフィットしやすいので、最初から目に馴染みやすいのが利点です。
③コンタクトレンズを装用する上で知っておいてほしいこと
近年、ディスポーザブルコンタクトレンズや遠近両用コンタクトレンズの登場によって、コンタクトレンズが多様化するとともに、その適応は大きく広がっています。先に説明したように、近視や乱視の程度に関わらず、普段は眼鏡を使用している患者さんでも、美容上の点から、あるいはスポーツ時のみ装用するなど、患者さんのライフスタイルに合わせて処方する機会も多くなりました。さらに、虹彩の色を着色したソフトコンタクトレンズが登場し、洋服や髪型を気分に合わせて変えるのと同様に、自由自在に瞳の色を変えて、おしゃれ感覚を楽しむ人たちが増えています。
しかし、いくらコンタクトレンズ装用を強く希望されても、痛い、ゴロゴロする、充血するといった理由で長時間の装用ができない人や、重症のドライアイ、アレルギー性結膜炎がある場合は、コンタクトレンズを装用できないこともあります。また、普段は問題なくコンタクトレンズが装用できても、間違った取り扱いや過剰装用により目の痛みや充血など、目の感染症を生じることがあります。快適なコンタクトレンズ・ライフを送るためには、正しいケアとレンズの取り扱いはもちろんのこと、定期検査を怠らないことが大切です。
④使い捨てソフトコンタクトレンズにおけるケアの重要性
1日使い捨てのソフトコンタクトレンズであれば、ケアは不要です。2週間あるいは1か月で交換するタイプなら、レンズケアをしながら装用期間を正しく守ることが目の健康を維持する上で重要になってきます。
昔は、ソフトコンタクトレンズのケアは煮沸消毒でしたが、今は1本で洗浄・すすぎ・保存・消毒ができるタイプ(マルチパーパスソリュウーション;MPS)が主流です。しかし、その中に含まれる界面活性剤や殺菌剤が薬剤性の角膜障害を引き起こすことがあること、洗浄効果が低いために擦り洗いの併用がなければ、タンパク質の汚れが十分に取れず眼のアレルギーを生じること、アカントアメーバに対する殺菌効果が低いことなどの問題提起がされています。
食事を終えた後のお皿には、食べかすなどの汚れがたくさん付着しています。汚れたお皿は、洗剤をもちいて泡立てたスポンジで擦り洗いしますよね?擦り洗いをした後には、水道水で洗い流して、綺麗な食器棚に保管しますよね?レンズケアもこれによく似ています。1日装用したレンズは、目には見えませんがタンパク質や脂汚れがたくさん付着しています。手のひらにレンズを置き、MPSをもちいて指の腹でその汚れを擦って落とすのです。擦り洗いをしたあとは、MPSでもう一度洗い流し、清潔なレンズケースに新しいMPSを注いで保存します。この一連の操作が当たり前のように毎日できないことには、頻回交換レンズの装用はできません。
また、最近は、ボトルやボトル内のMPS溶液の汚染、あるいは、レンズケースの汚染について警鐘が鳴らされています。きちんとレンズを擦り洗いしているのに角膜感染症を起こしたという患者さんでは、レンズケースやケア用品を回収するとカビが生えていたり、細菌で汚染されていたこともありました。使用するMPSや収納するケースが汚染されていたのでは、擦り洗いの意味がありません。ドラッグストアで見かけるMPS溶液は360mlの大容量タイプが多いですが、汚染を防ぐためには、開封後1カ月で使い切る(残っている場合は廃棄する)などの対策が必要です。ただし、擦り洗い、すすぎのステップをきちんとできている人は、1か月でこの大容量を使い切れますので、開封後1カ月経っても残っている人は、逆にすすぎが不十分ということにもなります。