ひがしはら内科眼科クリニック
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目の病気
目の疲れ~VDT症候群~
コンピューターや携帯電話、テレビゲーム、携帯型ゲーム機などの画面をVDT(video display terminals)と呼びます。VDT症候群とは、VDTを長時間継続して見ることで、目やからだ、心などさまざまな場所に障害を生じる病気をさします。近年、学校の授業でもコンピューターが活用されるようになってVDT使用の低年齢化が進んでいます。特に、最近の携帯電話や携帯型テレビゲーム機は小型化や高輝度化が進歩し、さらには3Dも登場して子供の心身への影響が懸念されています。
①VDT症候群の症状
VDT症候群の症状には、肩がこる、首から肩・腕・手首などが痛む、手指がしびれる、背中・腰が痛むなどの「体に出る症状」、イライラする、不安になる、睡眠障害がでる、気持ちが沈む、やる気がでないなどの「心に出る症状」、そして、目が疲れる、乾く、痛む、かすむ、物がぼやけて見えるなどの「目の症状」の3つがあります。どの症状がどの程度出るかは個人差があります。中でも、1日のVDTの連続作業時間が長くなるほど目の症状が多くみられます。目の疲れは、大きく眼疲労と眼精疲労の状態に分けられます。眼疲労は休息すると回復する一時的な目の疲労を言います。ひどくなると休息しても回復しない目の病的な疲労(眼精疲労)となります。
②画面を見つめる人(VDT作業者)の3人に1人がドライアイ
VDT作業に従事する1025人を対象に、涙の量や目の表面が乾くまでの時間、目の傷を調査し、目の自覚症状についてアンケート調査を行ったところ、約30%の人がドライアイと診断されました。これに、ドライアイの「疑いがある」人を加えると、なんと75%のVDT作業者にドライアイの可能性があることが分かりました(図1)。ドライアイと診断された人には、「女性」「コンタクトレンズ装用者」、目の表面に油層を作って乾きを防ぐ脂質を分泌する「マイボーム腺」に異常のある人を多く認めました。
女性に多い理由として、マイボーム腺の異常との関連が推測されています。この脂質の分泌は男性ホルモンが支配しているため、女性はマイボーム腺の働きが弱く、目の表面に脂の膜が形成されにくいのです。また、コンタクトレンズの使用により、もともと涙が正常の人でもドライアイが誘発されることが分かっており、特に、パソコンなどのVDT作業時は瞬きの回数が減るためにドライアイが生じやすくなります。図2には目の疲れ度を判定するチェックシートを示します。中でも⑩~⑬の項目はドライアイの人が強く訴える症状です。近年、ドライアイは見え方にも影響することが分かってきました。黒目の表面を均一に覆う涙がドライアイで乾きだすと、ピント調節にも影響をおよぼして目の疲れの原因になると考えられています。
③VDT症候群を予防するために
VDT症候群の予防は、①画面の輝度を適度に下げる、②モニター(ゲーム機の画面)を適度な位置に調整して良い姿勢を保つ、③長時間連続でゲームやテレビを見ない(具体的には1時間につき10分間の休憩をとる)の3つが重要です。適度に体を動かすことは心身のリフレッシュだけでなく、VDT症候群の予防になります。また、眼科検査で涙に異常がみられた場合は、点眼治療が必要になることもありますので、目に異常を感じた場合は、眼科を受診しましょう。